効果の限界
■補聴器の間違ったイメージ
●補聴器は
- 昔のように良く聞こえる
- 言葉のみがよく聞こえて雑音は聞こえない
- うるさい中でも良く聞こえる
- 遠く離れた人の話も聞き取れる
- 片方の耳に付けるだけで十分聞こえる
- 一度調整すればずっとそのまま使える
- 高価なものだから一生モノである
- 販売店へは購入後行かなくても良い
■補聴器の正しい性能
- 今より小さな声でも聞こえますが、昔のようには聞こえません
- 言葉以外にも周囲の環境音(実在音)も聞こえます
- 静かな所では良く聞こえますが、うるさい所では聞こえが悪くなります
- よく聞こえるのは3㍍位まで、両耳でも4㍍程度と思ってください
- できれば両耳の方が聞こえがよくなります
- 初めの調整後、よく聞くためには再調整が何度か必要になります
- 耐用年数はおおよそ5~7年位です
- 調整やメンテナンスをした方が聞こえがよくなります
上図の様に正常な耳の人でもうるさい場面では言葉の聴き取りが60%ほどまでと悪くなります。
どんな高価な補聴器でも健常者以上には聞こえません。
また周囲の音も聞こえるので周囲の情報が入ります。もし、言葉が無い時に何も聞こえないとしたら不安な世界になります。
会話をするには音を聞く能力(補聴器で効果大)と共に言葉を理解する力(補聴器でも効果薄)も必要です。
下の画像は蝸牛の中にある音を感じる有毛細胞の写真です。正常な①に対して②の方は(右半分が)無くなっています。
これらの障害や脳とそこに至るまでの過程で難聴や言葉の明瞭性が損なわれています。
■一度の調整でうまくいかない場合(が当然)には販売店で再調整をして、徐々に自分の残存能力と補聴器の性能とで新しい音の世界を取り戻してください。