骨伝導について


 誰でも使えますか

骨伝導とは鼓膜と耳小骨を通さずに直接音を感じる内耳の蝸牛が、音を振動で感じることを言います。
図の様に蝸牛は、頭骸骨の側頭骨に埋まっているので頭骸骨内の音波振動で音が聞こえるのです。
頭骨を伝搬する音波は減衰しないので両方の蝸牛(耳)が音を同時に感じることができます。





下の聴力図をご覧下さい。ここで " [ " と " ] " で表されている記号が右と左の骨伝導で聞こえる音の大きさです。
この位置が ○ や × の位置よりうんと上にある人であれば骨伝導でも良く聞こえます(図1)。
しかし、老人性の難聴の多くはこの骨導聴力値も正常な値(0〜25デシベル)より下がり、気導聴力より少し上もしくは同じ値(図2)になってしまいますので、骨伝導の方が良く聞こえるという訳にはいかないようです。
現在販売されている商品の多くは比較的聴力の良い、若年から中年層の使用が多い機器なのでその効果が認められるのだと思います。

図1 

図2 

長所と短所は

長所 @ 耳穴を覆わ(挿入し)ないので開放感があります。
A 耳穴から鼓膜を通して周りの音が入ってくるので自然に聞けます。
B ヘッドフォンより周りへの音漏れが少なくなります。
C 受信だけの場合は騒音の中でも聴き取りが良くなります。
D 鼓膜、耳小骨を使わないのでその部分に疾患のある方でも使えます。
E メガネ式のものは補聴器とはわかりません。
F 先天的に耳穴のない方にも使用できます。
G 右で発した震動音を左でも同じ大きさで聞くことができます。

短所 @ 補聴器よりも大きくなります。     
A 耳近くの骨を圧迫して振動を伝えますので長時間使用には向きません。
B 期間使用すると骨が圧迫され変形する場合もあると思われます。

補聴器と違う所は

多くの骨伝導式商品は骨導聴力の良い人を対象としています。そのため難聴の方の聴力損失音域を細かく補正する機能はありません。また補聴器の様に終日・何年にも渡って使う様には設計されていないものが多いので実生活での利便性には限度があるかも知れません。
メガネ式骨伝導補聴器はその歴史も長く実績もありますが、骨伝導値が40〜45デシベルまでが適応範囲ですが、最近は補聴器の性能が格段に良くなった為か使用件数は少なくなりました。




どちらがいいの

実際に自分の耳で聞いてみるのが良いので販売店で相談したり、通販の場合は取り寄せて8日以内のクーリングオフまでの間に実際に使ってみて判断されるのが良いでしょう。
補聴器店には骨導聴力を調べる機械もありますので、聞こえの能力と聞こえ具合を測ったり試すこともできます。

蛇足

一方的に送られてくる音楽や音を聞くだけならば骨伝導は周囲の雑音に煩わされなく聞くことができますが、補聴器のように周りの声や音を拾いそれを増幅して聞く場合は騒音も大きくなります。
   
騒音下の工事現場やヘリコプター内では骨伝導よりは周囲の雑音をアクティブに打ち消す機能のあるノイズキャンセリング・ヘッドホンの方が効果があると考えられます。
    (新着情報 2007/3/28「日経ビジネス記事3点」をご覧下さい)



 最近骨伝導で音を聞く機器が販売されているので紹介します。

● 骨伝導ヘッドフォン

(音楽用)CD,MD,MP3,ipodに接続して音楽などを聞きます
(汎用)携帯電話、パソコンなどに接続して使用します



● 骨伝導家庭用電話受話器

受話器部分を取り替えて使用します



● 骨伝導携帯電話

音声のほかに震動音声でも聞こえます

● 骨伝導補聴器

メガネ型とヘッドフォン型とがあります





● 骨伝導通信機

(災害用)マスクやヘルメットを被った自衛隊員、消防隊員などが使用
(騒音下用)工事現場、重機、ヘリコプター、ジェット機、コンサート中のスタッフの交信
(業務用)バスの運転手、レストラン、アミューズメントパーク、会場警備などに使用


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